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はじめに
中華ゲーム機、エミュレーター機と呼ばれるジャンルのガジェットがある。
一般的なゲーム機は、専用に発売されたソフトしか遊べない。
だが、中華ゲーム機、エミュレーター機は、ゲームデータさえあれば様々なゲーム機のタイトルを遊ぶことが出来る。
今はもう手に入らないゲーム機のタイトルを遊びたいであったり、手持ちのゲーム機が壊れそうだという場合に役立つガジェットだ。
そういったジャンルの中で、今回僕はANBERNICという会社が発売したRG40XX H を購入した。
これにどんな特徴があるのか、詳細をレビューしていきたいと思う。
オススメのANBERNIC
中華ゲーム機というと、有名なメーカーはもちろん、名前すら無いようなゲーム機までピンキリ存在する。
中には全く使えないような商品も存在するため、なかなか初心者には厳しい世界であるとともに、非常にワクワクする世界でもある。
ANBERNICは、このジャンルの中では有名メーカーであり、間違いなく業界では一流だと言っていいだろう。
僕は現在、ANBERNIC RG35XX H をメインで使用している。
まだ、RG35XX H を初めて手にしたときの感動を超える中華ゲーム機には出会っていない。
それぐらい、ANBERNIC の製品は素晴らしい。
なので、今回の RG40XX H にも非常に期待をしている。
販売ストア
RG40XX H は、公式サイトの他にAliexpressなどで購入可能だ。
公式では、11,599円が定価となっているようだ。
僕は、Aliexpressのセールで7,000円弱で購入できた。
正直、この完成度のゲーム機が7,000円弱で購入できるなんて破格だと思う。
スペックと特徴
以下、公式ページの情報です。
カラー | ブラック/ブルー/グレー |
---|---|
画面 | 4.0インチIPSスクリーン、OCA全貼り合、解像度:640*480 |
CPU | H700 quad-core ARM Cortex-A53, 1.5GHz 周波数 |
GPU | Dual- core G31 MP2 |
RAM | LPDDR4 1GB |
ストレージ | 64GB TF/MicroSD |
システム | Linux 64-bit |
WIFI/Bluetooth | 2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac,Bluetooth 4.2 |
ゲーム | 移植ゲーム、その他様々なゲームフォーマットに対応; ユーザーが関連フォーマットのゲームを自らダウンロードすることに対応。 |
言葉 | 中国語、英語、日本語、韓国語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語 |
マルチメディア | ビデオプレイヤーはwmv、avi、rmvb、flv、mp4、3gp、asf、mov、mpg、mkvなどの形式に対応;音楽プレイヤーはflac、mp3、wav、ape、aif、aiff、ogg、wma、aac、m4a、m4rなどの形式に対応;ファイルマネージャー と電子ブックリーダー(txt フォーマットに対応)機能 |
スピーカー | 高音質スピーカー |
TF カード | デュアル カード スロット搭載、最大512 GBまでのTF カード拡張に対応 |
バッテリー | リチウムバッテリー3200mAh、役6時間の稼働が可能 |
充電 | 5V/1.5A、C2C充電器に対応 |
RGB照明効果 | 1600万色RGBジョイスティック照明、常時点灯、呼吸、レインボー、マーキー、追光、ゲーミングとその他のライティングエフェクトに対応、色のカスタマイズと明るさ調整が可能 |
他の機能 | 2.4Gワイヤレスコントローラーと有線コントローラーの接続、テレビへのHD接続、振動モーター、WIFIオンラインペアリング、ストリーミングに対応 |
部品 | USB充電ケーブル、ボックス、説明書 |
カートン仕様 | 長さ41cm 幅 32.5cm 身長 21.5cm 重量 11.2KG |
ボックス仕様 | 長さ19.8cm 幅 10.5cm 身長 3.8cm 重量 0.36kg |
コンソール仕様 | 長さ 16.3cm 幅 7.9cm 身長 1.6cm 重量 0.208 kg |
画面サイズ以外はRG35XX H と基本性能は変わりません。
開封
ANBERNIC製品は保護フィルムが同梱されている場合が多いのですが、今回は保護フィルムは無し。
本体とケーブルだけというシンプルな内容です。
どうしても保護フィルムが欲しいという人は、Aliexpress等で別途自分で購入するといいでしょう。
本体外観
全体的にですが、安っぽさがないどころか高級感があります。
この製品の完成度の高さがANBERNICらしく、所有欲を満たしてくれる ”ガジェット感” がある。
写真では伝わらないと思うが、外装プラスチックに厚みを感じるので剛性があって触っていて安心します。
指紋や手汗が全然目立たない表面加工なのも嬉しい。
本体上部にHDMI出力端子、USB-C端子があります。
RG35XX H のときはUSB-C端子が2つ実装されていましたが、RG40XX H では一つだけですね。
ボタン
ボタン類だが、さすがはANBERNICだと思わせてくれる押し心地の良さだ。
これは、普通にメジャーなゲーム機と比較しても遜色がないというか、むしろレベルが上なのではと思ってしまうぐらい。
十字キー
十字キーは柔らかいが、押した最後にちゃんとポコっとしたテンションの変化を感じて押しやすい。
斜め入力も問題無く、ぐりぐりと動かせる十字キーだ。
ABXYボタン
ABXYボタンもとても良い。
柔らかいゴムのような押し心地で、最後にはポコッとした感触があって気持ちが良い。
Nintendo Switch Lite のようなカチャカチャとした軽いボタンではないので、これが高級感を感じる一因となっている。
ボタンのガタつきも無いため、押す動作がとても安定しています。
アナログスティック
アナログスティックは微妙にゴリゴリした感触はあるものの、非常に良好です。
押し込みにも対応しており、下に押すとプチっとした感触を得られます。
押し込みには多少の力が必要ですが、これがむしろ良い。
押し込みが軽いものの場合、アナログスティックを操作中に間違えて押してしまうことがある。
RG40XX H の場合、明確に ”押す” ことをしないと反応することが無いため、誤作動は一切ないはずだ。
あと、アナログスティックの根本ですが・・・光ります。
めっちゃテンションが上がる。
この光るというギミックのためだけにRG40XX H を購入するのも全然ありだと思う。
LRボタン、L2R2ボタン
RG40XX H の大きな特徴はL2R2ボタンが縦並びになったことだろう。
Androidを搭載した中華ゲーム機であれば、L2R2が縦並びになることが多いが、Linux機でこの配列は珍しい。
使い慣れたボタン配置だと思うので、ようやく正常化されたという印象だ。
ボタンの押し心地だが、非常に軽快にプチプチとした感触を楽しめる。
めちゃめちゃ押しやすいです。
その他ボタン
その他のボタンですが、本体正面にスタート、セレクトボタン、メニューボタン。
本体上部に電源ボタン、リセットボタンがあります。
良い意味で特に言うことはなく、押しやすいのはもちろん、誤って押さないように配慮されたボタン設計になっています。
サイズ・重さ
サイズは、PS Vita よりは一回り小さいぐらい。
PS Vitaよりも厚みがあるのですが、それが逆に持ち易くて良かった。
重さも心地よく、筐体にギュッと中身が詰まった感じがする。
このおかげで所有欲が満たされます。
画面
4インチの画面ですが、思ったよりも大きく感じる!
現代的な16:9の横長ではなく、正方形に近い比率のおかげか迫力がある画面サイズ。
これ以上大きいと携帯ゲーム機としては大き過ぎるかなという絶妙な大きさだと思う。
画質は、めっちゃめちゃキレイで発色が良い。
4インチで640×480という解像度はどうなのだろうと思ったが、全然気にする必要はなかった。
7,000円以下で購入できるデバイスとは思えないぐらいキレイ。
ビデオプレイヤーとしても使用できるので、この液晶のためだけにお金を払ってもいいぐらい価値がある。
今の中華ゲーム機って本当にスゴイんですね。
システム
システムは今までのANBERNICのものと変わらず。
「ゲームルーム」「RAゲーム」「アプリケーションセンター」「お気に入り」「歴史」「探す」「設定」とメインメニューが並びます。
ゲームは「ゲームルーム」「RAゲーム」の両方で起動できます。
しかし、ゲームの起動率の高さや使いやすさを考えると「RAゲーム」を使うことの方が多いかもしれません。
僕は、RAゲームしか使っていません。
「歴史」ですが、これは「履歴」のことですね。
最近遊んだゲームソフトの履歴が見れますし、ゲームの起動も可能です。
ファームウェアの更新について
ファームウェアは、公式サイトから最新のものをダウンロードしてください。
Win32 Disk Imager などを使って、イメージをmicroSDカードに書き込んであげてください。
microSDカードスロット
本体下部にmicroSDカードスロットが2つあります。
TF1がシステム用のmicroSDカードを挿すスロット。
ファームウェアを入れたmicroSDカードをTF1へ挿しましょう。
TF2は拡張スロットになり、ゲームのROMデータを保存したmicroSDカードを挿します。
空のmicroSDカードをTF2に挿すと自動的にゲーム保存用のフォルダが作成されます。
まずは、空のmicroSDカードをTF2スロットに挿してRG40XX H を起動するといいでしょう。
エミュレーター性能
対応ゲーム一覧
主要なレトロゲームはもちろん、PSP、PS1まで快適に動作します。
実際に遊んでみた
ゲームボーイアドバンス、NintendoDSなどは、当然ながら快適に動作します。
4インチという大画面でプレイできるので、とてもプレイし易かったです。
PSP
モンスターハンター3rdをプレイしてみた。
レンダリング解像度は「2倍」、フレームスキップは「1」で快適動作しました。
レンダリング解像度を3倍にしても動作に問題は無さそうでしたが、そもそもRG40XX H は解像度がそんなに高くないので「2倍」でいいやとなりました。
PSPのゲームを遊ぶ際は、PPSSPPで起動していると思う。
初期設定だと、画面が4:3に縦伸びしてしまっているはずだ。
そんなときは、メニューボタンを押して「画面のレイアウトを編集する」から画面の比率を戻すこと可能だ。
PS1
初代PSでは、実況パワフルプロ野球をプレイしてみました。
アナログスティックの精度がモロに影響するゲームですが、快適にプレイをすることができました。
ちなみに、XU MINI M では実況パワフルプロ野球をプレイするのはなかなか厳しかったです。
ANBERNIC の製品クオリティの高さが光っているなと感動しながらプレイしました。
エミュレーターで遊ぶには
エミュレーターで遊ぶためには、ゲームデータを【吸い出す】必要があります。
吸い出しは、ゲーム機本体にCFW(カスタムファームウェア)を導入するか、ダンパーと呼ばれる機材が必要です。
PSPやPS Vita等であればCFWの導入、ゲームボーイ等であればダンパーを用意するのがいいでしょう。
ダンパーの価格は対応カセットの幅により様々ですが、AliExpress等でお安く購入できます。
AliExpressを使ったことが無いという人は、初心者向けにコチラのページで解説しています。
http://ninjin-game.com/aliexpress/
PS VitaのCFW導入については、コチラのページを御覧ください。
ゲームの吸い出しですが、吸い出しは必ず手元にあるゲームだけにしてください。
そして、手元に無いゲームのデータは必ず削除してください。
吸い出しは、あくまでゲーム機本体が手に入らなくなった、ゲームソフト本体が劣化してきた等の場合の対応であり、あくまで個人的に楽しむものです。
違法ダウンロード、違法にアップロードは絶対にやめましょう。
使用感
その他、細かい使用感についてです。
起動速度
起動速度は相変わらず早くは無いです。
時間を計ったら、起動までに25秒かかっていました。
そもそも、電源ボタン長押しで電源が入らないことが多い。
長押し→「あれ?」→押し直し→5秒後に起動
のように、電源ボタンを二度押しして起動することがほとんど。
起動にモタモタする時間を合計すると、1分ぐらいは起動にかかっている気がする。
電源の切り方
電源の切り方は、今までのANBERNIC製品に比べて改善が見られます。
「メニューボタン」→「シャットダウン」
上記の手順で電源が切れるのですが、今までは「電源を切りますか?」のような最終確認メッセージが出ていた。
これが、RG40XX H の最新ファームウェアでは出ず、シャットダウンを選ぶと即電源オフとなっている。
とってもスッキリした動作で小さなストレスが一つ消えました。
バッテリー
公式で6時間稼働となっているが、そのぐらいは持ちそう。
今まで、バッテリーが持たずに困ったという経験が無い。
2,3日に1回程度の充電で僕は済んでいます。
あと、スリープ状態での電源消費があまり無いように思います。
試しに6時間ほどメニュー画面からスリープ状態で放置してみましたが、電池残量メモリは1つも減りませんでした。
何気にめちゃめちゃ嬉しい。
スピーカー
スピーカーは普通に良いと思う。
RG35XX H よりも良く聞こえるし、ボリュームも十分に大きくできます。
Moonlightが超便利
PCをリモートで操作できるMoonlightですが、RG40XX H でも使用することができます。
今、PCのEpicGamesでFaaastPenguinをプレイしているのですが、それをRG40XX Hで操作して遊んでいます。
Moonlightは、
「メニューボタン」→「ネットワーク設定」→「Moonlight」
上記の手順で起動可能です。
合っているかは分かりませんが、Moonlightの終了は「M」ボタン+「START」で可能でした。
Moonllightのセットアップ等については以前の記事で解説をしているので参考にされてください。
そして、RG40XX H は、L2R2ボタンが縦並びになったのでPCゲームとの相性が抜群に良い。
Moonlight を使いたいのであれば、RG40XX H は圧倒的にオススメ。
何故か、どうやってもPCの画面がRG40XX H では縦長に表示されてしまうので、そこだけが不満です。
画面比率の設定が出来ると思うのですが、現在探し中。
設定がうまくいったら、また記事で報告をしようと思います。
RG35XX H とmicroSDカードを共有可能
これが非常に嬉しかったのですが、TF2スロットに入れたmicroSDカードはRG40XX H と RG35XX H とで差し替えて共有することが可能でした。
セーブデータを引き継ぎながら、2台のゲーム機を気分で変えながら使えるというのは最高です。
ANBERNIC RG35XX H との比較
正直、RG40XX H は、RG35XX H と画面サイズしか違わないんでしょって思ってた。
画面解像度が変わらないので、むしろ劣化ではないかとすら思っていたぐらいです。
しかし、実際に使用してみると、買って良かったという感動と安堵で心が満たされました。
画面サイズの違いが大きい
RG40XX H と RG35XX H では、画面サイズが0.5インチしか差がありません。
しかし、実際に手に取ってみると0.5インチの差が想像以上に大きなものだと気付かされます。
画面が少し大きいだけでしょ?っと思っていましたが、iPhoneとiPadのように全然違うものだと感じました。
あと、画面の発色もRG40XX H の方が良いように思います。
LRボタンを使うなら圧倒的にRG40XX H
ゲームボーイやゲームボーイアドバンスをするのであれば、RG40XX H でも、 RG35XX H でも、どちらでもいいと思う。
わざわざ、RG35XX H を所持している人が買い足す必要はない。
だが、PSPなどLRボタンを使うゲームをするのであれば話は別だ。
MoonlightでのPCの遠隔操作もそうだが、LRボタン、L2R2ボタンを使う人は絶対にRG40XX H をオススメする。
それぐらい、縦並びのLRボタンと、横並びのLRボタンの操作性は良さは違う。
どちらを買えばいい?
じゃあ、RG40XX H と RG35XX H のどちらを購入するか悩んでいる人はどうすればいいのか。
ハッキリ言って、性能や携帯性については差が無いと言っていい。
だが、RG40XX H と RG35XX H は別物だ。
できることは同じなのだが、使い勝手に大きな差がある。
その違いがどこにあって、どんな人にオススメなのかを列挙してみた。
とは言え、RG40XX H と RG35XX H はmicroSDカードの共有が可能だったので、2台とも買っちゃえば良いとも思う。
——–
<RG40XXX H がオススメな人>
PSP、初代PSなど、比較的新しいレトロゲームをプレイする人
MoonlightでPCを遠隔操作したい人
光るギミックが好きな人
少しでもキレイな画面でゲームをプレイしたい人
<RG35XX H がオススメな人>
とにかくガジェットに高級感と所有欲を求める人
ドット絵のレトロゲームを遊ぶ人
充電しながら有線接続で外付けコントローラーを使用したい人(外部モニター接続で固定での使用を考えている人)
少しでも持ち運びのスペースを少なくしたい人
——–
ドット絵のゲームも、3Dグラフィックのゲームも両方遊んでるよという人は、RG40XX H も RG35XX H も両方所持してもいいと思う。
どちらか1台だけ所持したいという人は、上記のオススメ情報を参考にして選んで欲しい。
総括
RG35XX H が発売されたときは、日本国内でも大きく話題になりました。
しかし、RG40XX H はいまいち盛り上がりに欠けている印象がある。
LinuxOSなのにLRボタンが縦並びとか必要?画面サイズがRG35XX H と近過ぎない?
などなど、多くの疑問を感じた人もいるのではないだろうか。
だが、実機を触ると画面サイズの違いはハッキリと感じるし、画質はもちろん音質も向上していると感じた。
縦並びのL1R2、L2R2ボタンは快適だし、スティック根本の光るギミックもテンションを上げてくれる。
画面が大きいので、ビデオプレイヤーとして使うのもいいだろう。
とにかく、見た目以上に違いを出してきた機種だ。
僕としては、僅差でRG35XX H を超える名機だと思っている。
もし、購入を悩んでいる人がいれば、Aliexpressのセールのときを狙って思い切って購入してみて欲しい。
そして、この感動を共有できれば嬉しいです。
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